25でも、お互いを尊重しながら最低限のルールを共有することが大切です。現在のように、外貨建て一人当たりGDPが低い状況では、“安い労働力”としての外国人しか来日しない傾向にあると言われていますが、これではお互いの不幸につながります。日本が高度人財からも選ばれ、互恵に基づく社会となる必要があります。髙子:まさに、豊かさの質が問われますね。今年、ヨーロッパで開催されたJCI会議でデンマークを訪れたんですが、町の設計に“ゆとり”があって、すごく印象に残りました。満員電車のような前提ではなく、人が快適に暮らすことを軸にした設計がされていて。大野:それは素晴らしいですね。私たちも“埼玉版スーパー・シティプロジェクト”を進めており、コンパクト、スマート、レジリエントを兼ね備えたまちづくりを目指しています。超少子高齢社会に対応できるようイメージを持ちながらまちづくりを行うことが必要です。髙子:私たちもまちづくりに関わる立場として学ばなければなりません。最後になりますが、私たちは“幸せを地域に波及させるリーダー”を育てる団体です。リーダーとして、また“幸せの発信源”になるために、必要なことは何でしょうか?大野:リーダーになろうと意識するよりも、尊敬できる人を目標に努力することが大切です。理想の人を追い求めて一生懸命やった結果が、リーダーにつながるのだと思います。髙子:なるほど…結果は後からついてくるんですね。大野:それと、人間には“奉仕する側”と“される側”の2種類しかいないという話があります。自分の立ち位置はどちらなのか。それを意識することが、地域のリーダーとしての行動の軸になるはずです。髙子:とても胸に響きました。本日は本当に貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。大野 元裕 様(Motohiro Ohno) プロフィール埼玉県川口市生まれ。2008年度彩の国国際貢献賞受賞。元埼玉親善大使。慶應義塾大学卒。1989年から1993年まで外務省日本大使館専門調査員(イラク、アラブ首長国連邦)。1993年から1995年まで、財団法人中東調査会研究員を務める。その後も外務省国際情報局分析第二課専門分析員、在カタール日本大使館専門調査員、ヨルダン、シリアの日本大使館で書記官を務めた。2005年から2010年まで防衛省防衛戦略委員会委員。2010年から埼玉県選出の参議院議員。2012年防衛大臣政務官兼内閣府大臣政務官。2019年8月埼玉県知事に就任。現在埼玉県知事2期目。地域のリーダーとして必要なこと
元のページ ../index.html#27