2508-000342-02 創立30周年記念誌_本文 デジタルカタログ
30/46

第30代理事長 髙子 景28髙子:サヘルさんが現在力を入れている社会貢献活動について伺いたいと思います。サヘル:ありがとうございます。実は、『社会貢献』という言葉をあまり意識的に使っているわけではないんです。私にとって貢献とは、自分が経験してきたことを次世代に伝え、その経験が他の人々にとっても意味があるものにすることだと思っています。その意味では、私が行っている活動は、いわゆる『社会貢献』という言葉の枠にとどまらず、自分の経験を社会と共有する行為だと捉えています。私が行っている支援活動の中で最も大切にしているのは、人と人を繋げることです。私は個人活動として、国内外で多くの支援を行っています。例えば、児童養護施設での支援や、難民キャンプでの教育支援を行ってきました。居場所を失った人々が新しい場所でも自立できるように支援することが私の使命です。その支援は、物理的な支援だけでなく、教育や雇用を通じて、彼らが自分自身で立つ力を育むことを目指しています。私が支援活動で重視しているのは、相手の『依存』を生まないことです。生活支援を続けると、支援される側が次第に依存してしまうことがあります。しかし、最終的には自分自身で立ち、社会に貢献できる存在になるべきです。そのため、私は物資を与えるだけでなく、釣りの例を使うならば、魚を渡すのではなく、釣り方を教えたい。それが私の目指す支援の本質です。髙子:まさにその通りですね。相手が自立できるような支援こそが、長期的に見て最も価値のある支援です。それでは、特に今後の活動の中で注力していきたい分野はありますか?サヘル:日本国内でも、私は特に『大人を幸せにすること』に注力しています。社会全体で大人が幸せでないと、次世代もまたその影響を受けます。大人が自分を愛し、自分を大切にすることが、最終的には子どもたちへの良い影響を与えると信じています。社会では、『大人が幸せであること』が非常に重要だと感じています。大人が自分を大切にし、自分を愛することで、その姿勢が子どもたちに良い影響を与え、次世代が幸福な生活を送る土台を作ることになります。しかし、日本では多くの大人が自分を愛せていない状況にあります。自分を大切にするという基本的なことができていないのです。魚を渡すのではなく、釣り方を教えたい。それが私の目指す支援の本質です。俳優 サヘル・ローズ様対談 vol.3自分が楽しんでいなければ、自分が楽しんでいなければ、そのエネルギーはそのエネルギーは他者に良い影響を与えません他者に良い影響を与えません×

元のページ  ../index.html#30

このブックを見る