33髙子:青年会議所の国際的なネットワークと御社のインフラを組み合わせれば、新しい地域活性化の可能性が広がりそうな気がしますね。緑川駅長:あたり前ですが私たちは「乗せてやる」ではなく「安心して乗っていただいてなんぼ」。つまり、お客様第一の考え方です。これは国際化においても同じアプローチが必要だと感じています。髙子:鉄道博物館でのレセプションパーティーでは、海外からの訪問者に日本の鉄道文化を紹介する素晴らしい機会となったと感じています。緑川駅長:そうですね、日本の鉄道の強みは、安全性と正確さです。この品質を世界に発信することで、新たな観光資源になるのではないかとも考えています。今後は国内だけでなく、世界に向けても「鉄道のまち大宮」をブランディング化していきたいと考えています。髙子:私たちの目標は、単なる観光誘致ではなく、この地域の国際的なリーダーシップを育成し、世界に開かれた都市を作ることなんです。緑川駅長:これからは、多言語対応の強化や、外国人観光客向けのサービス改善に注力していきます。大宮駅を、真の国際的なゲートウェイにしたいです。髙子:JCIアカデミーは、SAITAMAの国際的な知名度向上に大きく貢献しました。これからもJR東日本さんと協力し、大宮から世界へ新しい可能性を切り開いていきます。緑川駅長:まさにその通りです。鉄道は単なる移動手段ではなく、文化交流の架け橋になれると信じています。緑川駅長:若い世代、特に高校生レベルの方々のアイデアを非常に重視しています。例えば、近くの高等学校の生徒と共同プロジェクトを行い、彼らが考える新しいアイデアを、我々の企業として実現可能な取り組みに転換できないか模索しています。 私たちの世代は、どうしてもアナログな発想から抜け出せません。ポスターを10枚貼れば良いと考えがちですが、今の若い世代は全く違います。SNSでバズるコンテンツとは何か、その感覚を理解するためにも、若い人たちとの対話が不可欠なのです。髙子:我々青年会議所も単なる地域団体ではなく、国際的なリーダーを輩出することを目的とし、地域貢献を通じてリーダーシップを育成する組織です。我々は国際的なネットワークを持つ団体として、この地域の国際化に大きく貢献できると考えています。 実際、国際青年会議所の次年度方針でも、我々の特徴は国際的なネットワークであり、それを活かしてリーダーシップを発揮し、世界の恒久平和を目指すことが強調されました。緑川駅長:なるほど。私たちも、様々な年齢層や視点を持つ人々との接点を持つことの重要性を感じています。特に、若い世代の興味や関心は、私たちの固定観念を打ち破る可能性を秘めていますね。髙子:そうですね。若い世代の柔軟な発想と国際的な視点が今後の地域の未来には不可欠であると思います。埼玉の未来を拓いていくためにも、今後も連携していけたらと思います。緑川 清士 様(Midorikawa Seishi) プロフィール大宮駅長。1982年(昭和57年)国鉄に入社。大宮操車場駅が最初の勤務地。大宮車掌区勤務では、埼京線開業の最初の電車の車掌を担当。その後、人事関係の部署を経て、蒲田車掌区区長、東京地区指導センター所長、丸の内車掌区区長、東京支社総務課長を歴任し、2021年(令和3年)6月に大宮駅長に着任。若い世代の興味や関心は、私たちの固定観念を打ち破る可能性を秘めていますね
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