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理事長メッセージ 理事長所信理事長のひとこと

理事長所信

理事長 星野 真一 理事長 星野 真一

基本理念

青年の輝きが地域を照らす

明日のために行動する JAYCEEたれ!!


スローガン

〜心豊かな地域の創造に向かって〜

基本方針

  • 心豊かなひとづくりの実践
  • 魅力溢れるまちづくりの実践
  • 市民意識の変革に繋がる運動
  • 活力溢れる組織運営



はじめに

 日本の青年会議所は、祖国再建の使命に燃えた若者たちにより戦後間もなく「新日本の再建は我々青年の責務である」と立ち上がりました。当時は、我が国にとって大変な国難だった状況の中、青年としての使命感と責任感をもって自発的に青年会議所運動に火を灯したのであります。
 私たち公益社団法人埼玉中央青年会議所の活動エリアは、元々中山道と日光街道の宿場町として栄え、戦後は首都東京の近郊都市としてまた、東日本の玄関口として産業や交通などの社会インフラ整備が進み、日本の高度経済成長と共にこの地は大きく発展を遂げてきました。そして、私たちの活動エリアであるさいたま市・上尾市・伊奈町の2市1町は今や人口150万人を超え、埼玉県の産業・文化・教育などの中心的な地域であり、見沼代用水や見沼田圃などに代表されるように豊かな緑と水辺などの自然環境も併せ持った、緑と調和した首都圏でも有数のポテンシャルを持った地域と言えます。
 この地では5つの青年会議所の先輩方が地域を愛し、創設以来「明るい豊かな社会」実現を目指して、若き情熱と弛まぬ努力で脈々と青年の運動が受け継がれてきました。そして、それぞれの運動が一つの大きな決断「市民が誇りに思える真の自立都市」を目指して埼玉中央青年会議所を設立するに至ったのであります。それは、積極的変化を創り出し理想のまちを創り出すために地域社会の発展に寄与していこうとする、青年としての若き情熱と熱きエネルギーが新たな青年会議所を創り出したのであります。
 今この国はまさに岐路に立っている時であると言えます。そして現代の日本を取り巻く環境は、混沌とした経済情勢や社会環境にあって、物質的な豊かさを追求してきたあまり、人と人とのつながりが希薄化し「自分さえ良ければいい」「今が楽しければいい」というような刹那的な生き方をする人々が増えてきています。しかし、2011年3月には東日本大震災という国難とも言える大災害が起こりましたが、あれだけの厳しい状況下でありながら互いに助け合い励まし合う人々の姿や、被災地に支援の手を差しのべる連帯感などは、日本人の秩序ある精神性を再認識するとともに、失いかけてきた日本人として誇りを思い起こす機会となりました。
 現在、私たちの地域においても先送りできない社会問題や早急に解決しなければならない課題を多く抱えています。次世代に心豊かな地域社会を残していくためには、私たち責任世代が、これらの課題に真摯に向き合い、決して目を背けることなく自分の問題として捉え行動していかなければなりません。今まさに、若き情熱で時代を切り拓いてきた利他の精神が宿る青年会議所運動の必要性が問われている時であります。



心豊かなひとづくりの実践

 現在の日本社会においては、近年の少子化、核家族化、生活習慣の変化や地域社会でのコミュニティの衰退が、家庭や地域、学校での教育環境に大きな変化をもたらし、大変憂慮する社会問題が多く起こっています。また現代の子ども達は、精神的な成長を遂げるための環境が不足しており、人を思いやる心の欠如と、大人の関心の低さがこれらの問題を招いているとも言えます。
 そこで、子ども達が健やかに成長するためには、まずは私たち大人が子どもの抱える問題に直接向き合い、夢や希望を持つことの大切さを伝えることが重要であります。子ども達が夢を持ち続けることによって、目の前の困難に対して前向きにチャレンジすることができ、今後のたくましい成長に繋がると考えます。また、子ども同士が学び合い、仲間を助けたり助けられたりすることで、相手を思いやる心を持ってもらうことが必要であります。そして、このように健全な青少年を育成することは、私たち大人にとっても成長にも繋がり、心豊かな地域の創造ができるものと考えます。
 私たち青年会議所は明るい豊かな社会の実現のために、仲間と切磋琢磨し、刺激し合いながら人間力を高め、情熱を傾け活動している団体であります。しかしそれは決して青年会議所の中だけで通用する人材を育成するのではなく、地域社会と真剣に向き合い、豊かな人間力によって地域のために貢献できる人材になることであります。またチャレンジすることで自己成長ができ、喜びを得られるような機会をこの地域に創出することで、地域市民と共に人間力を向上していくことが必要であります。
 そのためには、まずは私たちメンバーが青年会議所活動を通して自己研鑽に務め、多くのことを学び、社会からより一層必要とされる人材にならなければなりません。そして、JAYCEEである前に青年経済人としての資質向上に努め、模範となる経営感覚を身に付けることで、地域から必要とされる企業として発展し続けることが大切であります。また、私たちはこの地域の人々の心を動かし、自分の周りのために行動できる豊かな人間性をもった人材をこの地域に多く創っていくことで、このまちの心豊かな地域の実現に向けて運動していくことが重要であります。



魅力溢れるまちづくりの実践

 私たちの活動エリアである、さいたま市・上尾市・伊奈町には、世界にも誇れる地域資源が数多く存在をしています。そしてこの地域は全国にも類を見ないぐらい多くのボランティア、NPOや市民団体などが精力的に活動する地域であり、地域の魅力と人の魅力に満ち溢れた非常に高いポテンシャルを持った地域であると言えます。しかしながら、私たちの身近にある地域資源は市民に十分に理解されているとは言えず、まちの魅力として十分に活かしきれていないのが現状であります。
 そこで、魅力溢れるまちづくりを行うためには、自然・文化・スポーツなどのあらゆる分野に秘められている地域資源を、その価値を十分に理解し、私たちの力でさらに磨き上げることが必要であります。そして、この地域の特色を最大限に活かし広く発信することで、人々に地域とのつながりを直接感じ、市民に愛着と誇りをもっていただきます。また、地域の未来を築いていく上では、このまちに住む若い世代の人たちに、自分が住むまにより一層の関心を持ってもらうことが重要であります。そうすることで、若き情熱と未来へと繋がる魅力溢れるまちづくりができると確信します。
 現在の日本は、グローバル化の進展、少子高齢化やライフスタイルの変化によって、新たな社会システムの構築が求められています。私たちの地域でもこれから急速な高齢化が進むことによって、生産年齢人口の減少や地域の担い手不足によるコミュニティの低下が懸念されています。今後もこのまちの活力を維持していくためには、男女が共に社会の担い手として地域コミュニティを支えていき後世にバトンタッチしていくことが必要であります。だからこそ、今青年会議所に求められている使命は、これら地域が抱える問題を顕在化し解決に向けて行動を起こすことであります。
 そのためにまず、今後より多くの女性に企業などの地域社会に進出してもらうことが必要であります。そして、女性が職場や地域などで能力を十分に発揮できる社会を目指すことで、男女が共に自立し活躍する地域が創造できるものと考えます。また、地域の特性を活かしたまちづくりに市民に積極的に参画してもらうことで、誰もがこのまちを構成している一人であることを認識していただくことが重要であります。そして、「自らの地域は自らでつくる」という主体的に行動する人材が溢れる地域を創造します。



市民意識の変革に繋がる運動

 現在私たちは2017年度に開催される公益社団法人日本青年会議所第66回全国大会の誘致を目指して運動していますが、私はこの全国大会が青年会議所運動の最大の学びの機会であると同時に、これまで紡いできた私たちの運動を一気に推し進める絶好の機会であると考えます。しかしながらその道程は平坦ではないかもしれませんが、メンバーが一致団結し大きな目標を成し遂げられたならば、必ず多くの学びと成長を得られると考えます。私はこの地で全国大会を開催することで、地域を活性化し、社会にポジティブな変化を巻き起こすと共に、私たちの運動が市民意識の変革の原動力になると確信します。



活力溢れる組織運営

 公益社団法人埼玉中央青年会議所は1996年に全国で766番目の青年会議所として誕生し、これまで先輩諸兄の高い志と弛まぬ努力により、常に「青年らしさ」を追い求めて運動を昇華させてきました。これは私たちにとって誇れるべきことであり、青年会議所が地域に根ざした運動体であり続ける限り、普遍のものであると信じております。そして、多くの先輩方が築き上げてこられた歴史を確実に継承していくとともに、今の時代に合ったものへ進化させ、さらに大胆な発想力と失敗を恐れない行動力が必要であります。また、青年会議所には、「不連続の連続」という言葉がありますが、単年度制であるが故に毎年新しい組織に生まれ変わります。組織が変わるということは、新しい活力が入り組織を活性化させます。そして、40歳までの限られた時間の中で、志を同じくする仲間が「何のために、誰のために」を真剣に考え、議論を重ねることで、魅力溢れる運動が持続できるものと考えます。
 そして、青年会議所は40歳で卒業というルールのある組織である以上、常に会員拡大に注力をしなければ組織の活力を維持することはできません。会員数の減少が進めば、事業の縮小など、組織の運営上の問題が出てきますし、青年会議所の魅力を減少させ、運動の発信力も弱めてしまいます。そこで、2014年はメンバー一丸となって青年会議所の魅力について伝え、同じ目標に向って行動する仲間の拡大を行います。また、単なる拡大ではなく、青年会議所の意義や目的を見出してもらうと共に、一生の友となる仲間づくりができる拡大運動を行います。
 また、青年会議所運動を展開していくための重要なことの一つに、円滑な組織運営があります。私たちは2012年3月に公益社団法人として活動をスタートし、これまでにも増して社会的に責任を果たさなければならない団体となりました。だからこそ、公に資する高い意識を持って確たるルールを遵守しながら、迅速かつ効果的な情報発信を行い、より地域からの期待に応えられる運動を行っていかなければなりません。但し、これまで培ってきた青年会議所運動の幅を決して狭めることなく、運動の可能性を最大限引き出せるように努めることが重要であります。また、組織運営にはメンバー一人ひとりが組織を創り上げているという意識を全員に浸透させていくことが必要であります。そして、「当たり前のことを当たり前にやる」というシンプルなようでありながら決して楽でないことを一つ一つ確実に行わなければなりません。
 また、青年会議所には出向という大きな機会があり、私たちはこれまでも多くの出向者を輩出してきました。2014年度も出向の機会を最大限活かし、JCIや日本青年会議所、各協議会などへの出向を通して多くの学びを得てもらいます。また、出向者の活動状況を把握し周知することで、活動の支援が円滑にできるようします。出向を通して得た知識や経験、同志との友情がさらなる個の成長・組織の活性化につながると考えます。
 そして、公益社団法人埼玉中央青年会議所は2015年に創立20周年を迎えます。私たちは、2005年の10周年に中期ビジョン「ビジョン2005」を策定し「市民が誇りに思える真の自立都市の実現」を目指して運動してきましたが、2014年度はこれまでの運動の成果をしっかり検証し、来るべき20周年から始まる公益社団法人埼玉中央青年会議所の新たなる「10年」を、今後も地域から必要とされる団体としてさらに飛躍し続けるために、重要な1年と位置付けて活動していきます。



終わりに

 私は2004年10月に埼玉中央青年会議所の門をたたきました。そして、入会して間もない2004年10月に新潟県中越震災が起こり甚大な被害が発生しました。その時、私は青年会議所の先輩に連れられて被災地支援活動を行うために現地に赴きましたが、現地では既に全国各地の青年会議所メンバーやボランティアなどが駆け付けて避難所にて炊き出しや物資仕分け作業などの支援活動を行っていました。当時は入会1ヶ月も経たなかった私ですが、先輩の後を追いかけ無我夢中で支援活動に力を注ぐと共に、初めて青年会議所活動の凄さを目の当たりにしました。あれから7年後の2011年3月の東日本大震災が起こった時にも、私たち公益社団法人埼玉中央青年会議所は真っ先にこの地で避難者に対して支援活動を起こしたのであります。それは、私たちにJAYCEEとしての使命感や責任感、自分以外の誰かの為に行動するという利他の精神がしっかりと根付いているからに他なりません。
 今、「JCしかない時代からJCもある時代」と揶揄されることがありますが、私は今もJCしかないと考えます。入会した当初は、地域のことをあまり考えずに自分勝手だった自分が、いつの間にか地域のことを考える人間になれたのは青年会議所があったからです。先輩方やメンバー、私を取り巻くこれまでのすべてのつながりの中で多くの学びや経験を得てきたことによって自分が少しずつ変わってきました。これこそが青年会議所の魅力であると私は言えます。しかしながら現状、青年会議所に魅力を見いだせないメンバーも少なからずいるのも事実です。これは青年会議所自体に魅力がないのではなく青年会議所の魅力に気付いていないだけだと私は考えます。青年会議所は、たくさんの素晴らしい可能性があり「明るい豊かな社会」実現のために、真摯に向き合い、情熱を傾け運動をしている唯一無二の団体です。
 私は、自己成長を伴う青年会議所が「明日のために何をすべきか」を常に考え、その本質を見失わずに「正しく意義のある」運動を起こせば「地域は変わる」と信じます。そして、公益社団法人埼玉中央青年会議所の18年間の歩みの中で、先輩方より連綿と受け継がれてきた創始の精神と歴史をしっかりと継承しながら運動していきます。そのために自己を律し、地域との絆、メンバーとの絆を大切にしながら、「この地域に住んで本当に良かった」「この地に生まれて良かった」と思ってもらえるような「心豊かな地域」の実現を目指して2014年度も力強い運動を行います。
 時代の変遷とともに「地域の人の心を変え」「この地域を変え」「この国までも変える」。今こそ、我々青年が新たな道を切り拓いていかなければならないのです。
 私はJAYCEEの輝きが、必ずや地域を輝かせると信じます。

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